化石と奇石の発掘 入門編


【化石と奇石の発掘 入門編】

報告書

2016年11月29日 報告

以下の活動を早稲田大学探検部主催で実行した。

1.期間

2016年11月27日(5:30)〜(21:00)

2.活動概要

化石と奇石は奇跡の産物だ。化石をただの石と思うか、貴石以上に輝いて見えるかは、個人の意思次第だ。化石を発掘するには、石と向き合い続ける固い意志が必要だ。石の上にも三年ともいう。いや、鬼籍に入るまでの時間でも足りないかもしれない。やはり匪石之心が肝心だ。まずは専門家の軌跡をたどり、目標に向けて布石を打とう。最終的には新種を採集し、私は社会に一石を投じたい。要領よく二羽の鳥を落とせずとも。一歩ずつ確実に、石橋を叩いて。さあ、化石を採りに行こう。

細貝悠(幹事長)の叔父にあたる細貝利夫氏は新種の化石を数多く発掘している。

これも何かの縁である。利夫氏から化石発掘の技術、地層、鉱物などについて教わり、探検部のフィールドワーク力を活かして化石を発掘できるようになるためのきっかけを本活動でつくる。

 3.活動結果(目的達成の有無)

計画書に記載した目標は以下の三点である。

①化石発掘の技術習得

②地層や鉱物についての知識を習得する

③部における学術的探検の領域を広めるきっかけをつくる

①  について

入門編としては十分な成果をあげられた。実際に化石を見て触って掘りあて、会瀬にて自分達で採集した貝化石をサンプルとして部に持ち帰ることができたのは大きな利益である。

※種類が同定できない貝化石。塊は後日部室でクリーニングをする予定。

また、利夫氏から博物館に寄贈できなかった化石を数点頂いた。

※500万年前の蟹化石

※500万年前のホタテ化石

②  について

化石の知識だけではなく、鉱山や鉱物の知識について利夫氏から学ぶことができた。

 

※採集した石英

※利夫氏から頂いた黒水晶

③  について

今回は海岸で化石を掘ったため、漂着物活動と合わせて化石発掘も行える場合があることを学んだ。また、鉱山の見学で得た知識は廃墟探検などにも活かせるだろう。鉱山では人工物にどのように注目すればよいかを学んだ。人工物からは多くの情報が読み取れる。石垣などからは珍しい鉱石が発見されることもある。

まとめ

細貝利夫氏との繋がりができたということが今後化石の発掘や鉱物の発掘などの活動を行っていく上では何よりの成果だ。

4.計画書からの変更

・こぼおじばなの灯台は22日の地震から落石などが懸念されるため、会瀬へと化石掘りの場を変更した。

・時間が間に合わず500万年前の地層に行くことを断念した。

計画書の予定

11月27日 予定 備考
04:00 細貝ハウス出発 レンタカー(軽)を使う。運転は細貝が担当
8:00~ 利夫氏と合流 利夫氏宅

在京連絡

化石掘り こぼおじばなの灯台でちょっとした化石が掘れる
小木津山自然公園
鉱山の見学
石英の見学 数億年前の地層
化石掘り 500万年前の地層が利夫氏の自宅近くにあるらしい
16:30 活動終了 日の入りと共に活動終了
22:30 高田馬場駅解散 帰りにどこかで夕飯を食べる

在京連絡

三角が野帳に書いた記録

5.メンバーの感想、反省

小野寺(CL 2年)

細貝利夫氏が最初に私達に伝えたことは、「化石掘りだろうとなんだろうと一生に一度大きなチャンスが訪れることがある。ただし、そのチャンスは日ごろの地道な行いがなければ来ることはまずない」ということだった。利夫氏は子どもの頃から化石掘りが好きで仕事が終わると毎日のように山に化石を掘りに行っていたそうだ。そうして見せてくれたのが大型トラックでも運びきれないほど、岩を削ってできた山だった。人一人がハンマーとタガネだけで岩場の地形を変えてしまう。私達は後に会瀬海水浴場へと移り、実際に貝化石を掘るのだが、なかなか岩は思うように削れてはくれない。そこで山一つを削る利夫氏の執念が身に染みて分かったような気がした。それでも利夫氏はこう言った。「私よりも鉱物のマニアの人は木の根元を掘って穴だらけにする。マニアはなにをするか分からないから、本当に怖い」と。利夫氏は常に人間の欲望の深さについて語った。化石は夢の世界(であってほしい)で鉱物は欲望の世界である。私達は午後から小木津山の鉱山跡に向かった。そこで鉱山跡とは人間が欲望のために気を狂わせてきた負の爪跡だったのだと知ることになる。弱層にそって計3つの穴とそこから少し外れたところに1つの穴があった。全て明治に掘られた穴だそうだ。穴の中には水が溜まっており、昔は鉱山を掘るには最初に水汲みから始めなければならず、罪人などにその仕事をさせ過労死させていたそうだ。

利夫氏は饒舌な方だった。化石や鉱物についての豊富な知識を喋り続けてくれる。その中で時々、化石や鉱山から学んだ教訓を教えてくれる。それを聞くのが楽しかった。利夫氏は非常に危機管理能力の高い人間だった。こぼおじばなの灯台での化石掘りは、落石の危険性があると判断し、いち早く計画を変更する決断力からそれは伺える。化石の講師としても隊を率いるリーダーとしても尊敬できる人だった。利夫氏は後ろからついて来る私達が歩きやすいルートを選択してくれる。私は化石掘りだけでなく山歩きのリーダーとしても本当に未熟なのだと思い知った。

今回の活動で採れた化石は種類も同定できそうにない二枚貝のかけらの化石だったが自分で掘る達成感は掴めた気がする。今後もこの気持ちを忘れないようにしたい。その他特筆すべきは、三角がとても熱心に活動に参加してくれたところだ。三角は少ない情報から結論をいち早く導き出すのが得意で、次々と利夫氏から出題される化石・鉱物当てクイズに答えられていて、この活動に参加してくれて本当に良かったと思った。

細貝(SL 4年)

10年ぶりにおじさんと会う。緊張した。どんな顔して会えばいいか分からなかったからだ。けれど新しい活動が始まることの嬉しさ、そして何より小野寺がCLをやることの嬉しさが本活動への意欲を掻き立てた。活動が終わってみて、化石という新たな可能性と難しさを痛感した。小野寺はCLとして本当に良くやってくれたと思う。事前の準備から報告に至るまで。これからCLをやる者は小野寺を参考にするといい。

 

三角(記録 1年)

今まで化石という物は珍しく遠い存在だとイメージしていたが、今回発掘に訪れた場所は意外にもよく遊んだ事のあるような普通の海岸だったため、化石がもっと身近な存在であることを知ることが出来た。見慣れた海岸でも地層の広がりを意識して見ると、地球の歴史が目の前に現れたような、今までとは違う感じ方になりわくわくした。これからは化石発掘の知識と視点を持ち合わせて、利夫さんも話されていた、ふとした瞬間に訪れるチャンスを掴めるようにしたい。

鉱山跡では鉱山の見つけ方や鉱物を取り巻く暗い歴史など、様々なことを教えて頂き考えさせられる事が多かった。探検部は自然と人を尊重出来る健全な探険隊でありたい。

また、細貝利夫さん夫妻には本当に良くして頂いた。御飯ばかりか化石や鉱物のお土産まで頂き、自分のおばあちゃんちと見紛うほど幸せな日曜日だった。

 

山本(2年)

細貝夫妻宅においては、我々の尊敬する探検部幹事長であるところの「細貝さん」は、愛すべき「悠くん」だった。

化石について熱弁を振るう細貝さん(悠くんじゃないほう)と、やたらと茶々を入れてくる奥さんの夫婦漫才は終始続き、なんだか年末に祖父母の家に訪れたかのような気持ちになりつつも活動はすすむ。

雨がぱらついていた。冬の始まりの雨は当然冷たかった。粗方説明が済んだところで浜にて化石を掘ることとなり、ターゲットの岩場に足を運んだ。到着からものの数秒で巻貝か何かの跡を見つけ、俄然やる気がでたのを覚えている。

化石探しは掛け値なしに心踊り楽しかった。岩場を覗き込み、時には打ち寄せる波に足を濡らしながら、隠れた不自然を見つける。いざ化石を見つけて掘るとなると、意外なほど遠くから岩を穿つのだ。脆く崩れやすい宝物が壊れないように、そうっと鏨を叩く緊張感。好奇心をくすぐられた。

鉱山跡では、偶然にも小さな銅を拾うことができて、ご満悦だった。雨で滑りやすくなった斜面と、昨晩痛めた腰も相まって、歩きたくないなあと思う瞬間もあったが、なんてことはなかった。

今活動のハイライト(笑)は、細貝さん(悠くんじゃないほう)が昼食と夕食をご馳走してくださったことだ。メニューを開き、その上に踊っている驚愕のお値段が目に飛び込み、貧乏学生共は震え上がった。わたしはというと、奢られる事に全くもって耐性が無かったので、赤ベコのように恐縮したのであった。

肉体的・精神的苦痛の無さや、食事の豪華さ、その他もろもろ、今回の化石活動は普段の探検部の活動と一線を画していた。化石に関する知識より、なんなら細貝家の事情の方が頭に入った気がする。

細貝さん(悠くんのほう)、車の運転ありがとうございました。細貝さん(悠くんじゃないほう)、なにからなにまでありがとうございました。

文責 小野寺

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

WP-SpamFree by Pole Position Marketing