四国遍路(順打ち)

1. 期間
2016年8月8日〜2016年9月18日
 
2.目的
私は自分のことを弱い人間だと思っている。体力的にも精神的にもそうだと思う。自分を鍛えられれば良い。今回は、遍路道を歩くつもりなので未知のルートを開拓する等はしないが、自分の足で歩き、辛いかもしれないが自身と向き合う、どちらかというと内面の「探検」にし、これからの活動への礎にしたい。要するに成長したい。何かいいものが体験、発見できれば良い。
 
3.活動概要
弘法大師の足跡をたどり、八十八カ所の霊場を巡る。
四国の人になるべく迷惑がかからないようにする。
アスファルトの道が多い。朝から昼までに距離を稼ぎたい。
4.活動結果(目的達成の有無)
目的は自身と向き合うことであったが、否が応でも向き合うしかなかったので、これは達成?した。執念や意地を持つことは大切だ。「探検」になったのか、と言われると、なったとは言えない気がする。成長したのかも分
からない。日焼けした皮膚も剥がれた。何も変わっていないのではないか。しかしまた、自分の中で何かが変化した気もする。
5.計画書からの変更
変更点ばかりである。計画書に書いた日程よりも早く歩き通せるだろうと思っていたので、そもそも活動日程通りに行動する気はなかった。初日に八番札所に参拝しなかった。これにより全ての札所を打つ本来の四国遍路ではなくなった。また、納経帳に印をもらうのも途中でやめた。
5.1 上記の問題点
参拝していない札所があるとは「遍路」として達成したとはいえない。
5.2 上記の原因
時間が遅く、札所の門が閉まっていたので参拝できず、別に出来ないならそれでいい
と思った。翌朝行くのは時間がもったいなかったし(門が開くまで待たなければいけな
い)、めんどうだった。また、急いでいたので気持ちに余裕がなかった。納経を途中でやめたのは納経代が高いからである。
5.3 改善案
信仰心があれば、翌朝にするのがめんどうだとか納経代が高いだとか思わないかもしれない。遍路をするなら信仰心があったほうが良いと思う。
6.メンバーの感想、反省
鹿野(リーダー兼記録 1年)
徳島県のことはよく覚えていない。しかし、十二番札所焼山寺が辛かったのは忘れていない。他には二階建ての家ぐらいある半透明なお坊さんを目撃したことや、寝られる場所がなく一晩中うろうろしたこと、コンビニの横で座り込んでいたこと位しか思い出せない。徳島の終盤で同期(1年)の山内と合流したが、本堂の横で寝ていた彼を見て、ばかなんじゃないかと思った。怒られなかったのかと気になった。写真を撮っておけばよかった。話し相手ができたのは退屈しなくて良かったが、ここからしばらくは何も面白いことがなかったし、足首を痛めたので機嫌が悪かった。それでも、歩くことにそれほど抵抗はなかった。もっと早く歩きたかった。歩くことをやめるというのは私にとってあり得ない選択だった。私はここで2年生の小野寺さんの言葉を思い出していた。小野寺さんは神津島の合宿中で「足が痛くても骨折とかしない限り取り敢えず歩ける」というようなことを言っていた。この言葉は四国遍路中私を支えてくれていた。徐々に足首の痛みはなくなっていき、ペースを上げることができた。救助訓練で練習したテーピングが役に立った。身体的には楽になったが、何かイベントがないと辛い。札所を打つことはひとつの小さな達成だったので、それがないのはいやな感じだった。
高知県は本当に長かった。ずっと国道を車に追い抜かれながら歩いた。また、蜂に追いまわされた。川に浸かるときは気が晴れた。なぜか自分にとって食事の時間は気が楽になったりするものではなかった。最初パスタを作っている時などはそれを楽しむ気持ちもあったが、日が経つにつれてそんな気持ちはどこかへいった。高知県は遍路でもっとも辛かったが、道の駅で寝ることが多かったので、睡眠の質は良かった。高知県では「探検」について考えはじめた。しかし歩きながら考えていると、この「遍路」を強引に「探検」にしてしまいそうだった。
山内と別れた後、ひとりの遍路と会うが、彼とはその後も時々会った。知っている遍路と再会すると心強い感じがした。彼からは白衣を頂いたりした。多くの遍路と交流があればより面白かったに違いないが、私が遍路中に再会することがあった遍路はふたりだけだった。夏、しかも今年は逆打ちが流行っている年なので、そもそも話した遍路の数が少なかった。四国霊場の金をたくさん取ろうとする姿勢(私にはそう見えた)には驚いた。金は現世の欲の塊のようなものだと思ったので、それがないと寺の修復とかができないというのは、仕方がないがなんとかならんのかと思ってしまった。このあたりで一回300円の納経を完全にやめる。
松尾峠を越えて愛媛県に入ると楽になった気がした。高知県は主に精神的にきつかったので、そこから脱出できたことへの喜びが本当に大きかった。愛媛県からは、高知県ではなかったのんびりした楽しさがあった。道後温泉に寄れたのはうれしかった。今度は『坊ちゃん』を読んでから観光で来たい。四十四番札所近くの薬局で出会ったエンドレス遍路との時間は貴重なものだった。彼とは今治市の道の駅で再会するが、八十八番でも会いたかった。
六十五番三角寺の登り坂で疲労が出て、ばてる。そのまま六十六番雲辺寺まで登ろうとしたら、その坂道がものすごい角度(に見えたの)で、嫌になった。何かに怒りながら登る。大袈裟だが、ここで自分の執念と意地の強さを見た(ような気がする)。十二番では自分に敗北したので、成長の証かもしれない。
香川県はいちばん楽だった。うどんがうまかった。香川の人たちは優しかった。休憩所が多いうえに豪華なものもあった。どの県でも優しい人たちはいたが、香川県は短かったがお接待が多かった気がする。八十二番札所前でうどんを食べていたら同期の野田が現れたので驚いた。LINEのトークでやたら遍路活動について聞いてくるから妙だと思っていたが、まさか来るとは思っていなかった。もうあと5日で終わる、と思うと、もっと歩いていたいと思った。まさかそう思うとは。そこからはいままで以上に淡々と歩いた。進むにつれて終わりが近いことを実感した。ああ、終わるのか。終わってしまうのか。八十八番を打っても達成感はなかった。ただの88の札所のうちのひとつだった。
一番に戻っても驚くほど何も思わなかった。夜行バスの時間まで何をして暇を潰すかが悩みだった。結局『ジョジョの奇妙な冒険』48~50巻を買って読んだ。なぜ達成感も何もないのか分からないが、この報告書を書いていて、遍路でないと得られない黄金体験からどうでもいいようなことまで様々なことを思い出した。去年や一昨年の夏休みに何をしていたかなんて覚えていないが、今年の夏休みのことは忘れないだろう。
たしかに漠然といい経験をした、と思う。しかしこの活動は「探検」ではない。私は何がしたいのか。参加したい海外遠征がある。だが自分の活動の方向性は定まっていない。金が欲しい。単位が欲しい。「核」となるものがないとは思いたくない。自分の拠り所は自分である。だからそんなに深く考える必要はないのか。思ったことをゴチャゴチャ書いたらまとまらなくなった。とりあえず頑張らなければならないと思った。
山内(助手 1年)
初日、2日目は歩くのが辛かった。荷物が重かった。10キロが途方も無い距離のように感じた。CL鹿野くんの歩くペースが想像よりも早かったのと、四国の猛暑も追い打ちをかけた。夜は寝苦しく、快適な睡眠も取れなかった。苦しいことには事欠かなかった。3日目以降は歩くのにもある程度慣れた。歩くことは決して楽しくはなかった。しかし、初日ほどの苦痛でもなくなっていた。辛いのはしょうがないという諦めのような気持ちが芽生えていた。諦めは人を楽にするようだ。そのうちに歩きながら思考する余裕も出てきた。しかし、考えることはといえばこの歩行に意味はあるのかということばかり。そればかりに思いを巡らしているうちに意味のあることというのがわからなくなった。生きる意味とはを考え出した時、なんか辛くなったので考えるのをやめた。無心で歩き続けた。たまに口笛を吹いたりした。気が紛れて良かった。多くはないが、それでも楽しいことはあった。川に飛び込むのは、暑さと疲れを忘れさせてくれた。銭湯に入ると気持ちが落ち着き、リラックスできた。美味しいご飯は歩く活力をくれた。ふと、顔を上げた時に見える山や海は綺麗だった。遍路者に対して四国の人は優しかった。なにより、お寺に着いた時は達成感があった。ちゃんと道は続いてるんだなとありがちな感慨を抱いた。遍路は短期間では真価を発揮できない活動かもしれない。だから、もう少し長く歩いてみたいと思った。活動を考える時に歩くというのを選択肢の一つに考えてみようかなと思った。
7.備考
小野寺(広報 2年)
昨年の冬にも3年の小野が四国遍路に挑戦したが、未だに達成できていない。彼の場合は寄り道が多かったが、冬の寒さに耐えながらも終始旅を楽しんでいた印象だった。反対に今回遍路を達成した鹿野は非常にストイックな性格なのだと判明した。八十七箇所(八番以外)を無事に参拝しすることができた。しかも猛暑の中、予定よりも大幅に早い驚愕のペースでだ。四国遍路にはそれぞれの歩き方があり、同じ順番で寺を巡っても全く違う行程を進んだり、全く違う感想を綴る。有体にいえば個性が出るのが面白いところだと思う。因みに、私が鹿野に対して言った「足が痛くても骨折とかしない限り取り敢えず歩ける」というのは、私が小野のスペイン巡礼について行った時、彼から言われ励まされた言葉だ。鹿野も後輩が挫けそうになったのを見たら使うといい。
文責
鹿野(CL)
   小野寺(広報)

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