カムチャツカ遠征隊訓練行Ⅰ 白馬岳

カムチャツカ遠征隊訓行Ⅰ 白馬岳

:カムチャツカ遠征とは

ロシア北東部、チェクチ自治管区、カムチャツカ地方にまたがる「コリャーク山脈」の周辺調査活動、また「山脈最高峰 Ledyana(2453m)」の外国人隊初登頂ならびに周辺の人類未踏峰の登頂を目的とする。期間は8月上旬から1カ月半。遠征隊隊長は3年生の井上。2年生は副隊長の走出を含め3名。そして入部したての1年生1名。また、今まで数々の海外遠征に参加し、映像作品を制作してきた4年生の小野(武蔵野美術大学院生)を加え、早大探検部員計6名で活動する。遠征開始まであと1カ月。カムチャツカ遠征隊の内数名は、今までナミブ砂漠縦断隊(中止、現アタカマ砂漠隊)と合同で歩荷訓練活動をいくつか行い、体力強化に励んできた。遠征も迫って来たところでより実践的な訓練が必要と判断し、今回は雪山活動に参加してきた野田(2年生)がリーダーとして雪上訓練を企画し行うことにした。これからもレーションや装備、環境などを本番に近づけた形で訓練活動に取り組み、遠征日まで計画の審議・準備・訓練活動を徹底して行っていく。

(カムチャツカ遠征隊紹介支援公式ホームページ→http://www.wasedatanken.com/kamchatka/

2:白馬山訓練活動の目的

遠征を行うのは真夏の8月であるが、さすがは極東ロシア。我々が目指す「Ledyana峰」(外国人登山隊初登頂予定)には山頂に雪が残っている可能性があるという。雪山活動をしたことがない隊員(吉田、小松)もいるため、残雪の山で雪山の道具の使い方を練習する。

3:期間 617日、18

4:活動地域 長野県 白馬村 白馬大雪渓

5:メンバー 

野田→CL(白馬岳訓練活動チーフリーダー)

井上→SL(白馬岳訓練活動サブリーダー)

吉田→記録係

走出、小野、小松

6:活動詳細 

6/17()活動記録

12:00戸山キャンパス学生会館出発

17:00猿倉駐車場着

17:30登山開始

18:20Aポイント着

18:40白馬尻小屋着

18:55幕営完了

20:00晩御飯

20:30就寝


活動前の車内での写真。運転手の後ろで熟睡する隊員。


猿倉駐車場から登山開始。よくお目にかかる明日葉も生えていた。初めてフキノトウが生えているのを見た。

突然雪渓が現れたので、軽アイゼンを装着。アイゼン歩行、ピッケルの持ち方、使い方を確認した。白馬尻小屋までの斜度だと軽アイゼンでも何の支障もなかった。

幕営。「モンベルチャレンジ」で頂いたステラリッジ4型は組み立てやすくコンパクトでとにかく最高でした。モンベルさん、本当に有り難うございます。


幕営終了後、早大探検部OBで「ノンフィクション作家・高野秀行氏」がtwitterで遠征について言及してくださったと部員から吉報を受ける。いや~、興奮した。全員で喜んだ。その時の、隊長の嬉しそうな表情は今でもすごく印象的だ。

夕飯は本番同様パスタ。お湯が出来上がるのに時間がかかった。体感温度8度くらいだったが寒冷地用を持っていけばよかったと反省。食べてすぐ就寝。

6/18()活動記録

4:00起床

4:55朝食

5:20活動開始Dポイントで滑落停止など雪上訓練

6:30訓練終了登山開始

7:30小休憩

8:10前方の岩室で70m滑落した女性発見

8:45女性のパーティーに追いつきファーストエイドを施す、井上はセルフレスキュー不可であることを県警へ連絡

10:50松本よりヘリが出発

11:37要求の女性引き上げ完了

12:03下山開始

12:47雪渓を抜ける、アイゼンを外す

13:50猿倉駐車場着

13:55駐車場発

15:00JR白馬駅前で昼食

20:15高田馬場着、解散

21:30小野、野田レンタカーを返す、活動終了。

◆所感・写真

荷物を背負ったままうつ伏せ、仰向けの場合の肩制動の訓練をする。満足のいく訓練であった。本番では滑落停止をする必要が無いように、アイゼンワークを確認しながら登頂開始。

 登山者は30名ほど。景色は変わらないが、立ち止まったときの風と温度が気持ちいい。

◆滑落者の救助

一番前を歩いていた吉田が前方で滑落する女性を発見!医療パックを持ち女性の下へ。


女性はアイゼンを足にひっかけ70~100m程滑落途中岩にぶつかるも比較的平らな所で停止。

女性のパーティーの3人は医療パックを持っていなかったようなので井上以外の5人はファーストエイド、井上は県警との連絡を受け持つ。

ファーストエイド内容…捻挫の固定、体を冷やさないように随時飲み物を作る、シュラフを被せる等。

◎警察との連絡1度目に質問されたこと

110番場所の報告、②電話した人の名前、③GPS座標(世界基準or日本基準)、④隊の人数・年齢・性別、⑤天候・風、⑥症状、⑦名前と漢字、⑧生年月日、⑨動けるか、⑩視界再確認、⑪隊員の住所、⑫滑落してからの経過時間、⑬下山ルート、⑭予備電話番号、⑮入山届の有無、⑯場所、⑰日時、⑱登山行程と詳細な時間

◎警察との連絡2度目に質問されたこと

下からレスキューが来るため少しでも下れるか質問される→下れない。山岳救助隊から連絡、視界の確認、風で物が飛ばないように注意。周囲の登山者への呼びかけの協力援助。


救助された女性は引き上げ完了後、病院へ。「症状は左足の骨折」、「神経まではいかない首の骨折」。自己の規模から助かったのが奇跡的。首の骨折も軽度で大事には至らなかったそうです。

時間的にも、装備的にも厳しいと判断し、頂上は目指さず下山。

「モンベルチャレンジ」で頂いたザック。軽くてシンプルで使いやすい!ただ、隊員みんなが同じザックという光景は見慣れなくて、変な感じである。渋滞にも巻き込まれず順調に東京へ戻る。

 

レンタカー運転し終わった小野さん(4年生)。お疲れ様です!

6:感想

①訓練の達成度

本番と同じ食糧計画、レーションで行った本活動は、本番と同じ運動量ではないにせよ、感じがつかめたし、食料以外でも持っていくべきものが明確化出来た。

幕営場で高野さんがカムチャツカ遠征を引用リツイートしてくれたという嬉しいニュースをみんなで一緒に知ることができたのがすごく嬉しかった。

レスキューについて

初めて実践でファーストエイドをすることになったが、家に帰り冷静になって、あれすればよかった、あそこもっと効率よくできたな、とたくさん出てくる。他人でもこんなにテンパるのだから、これがもし自分のパーティーが滑落した場合を考えると同じようにはできなかっただろう。実践を意識したレスキュー技術が必要だと感じた。

反省点について

自分たちは岩室を登るかは見てから判断しよう、そしておそらく登らないだろうと判断していたのは良い判断だった。もし登れたとしても、下りで何らかの事故が起こっていた可能性は高かった。今回滑落した女性と自分たちは状況が違うにせよ、滑落が起こるようなところを選んでしまったのは本訓練行のCLである自分のリサーチ不足であったと思う。

以上の活動は早稲田大学探検部主催では行っていない。早稲田大学探検部の部則では、部の活動として日本国内で活動を行うには部会で2回以上の審議を行い、部員全員の承認、部長(顧問)の承認、学生生活課への届け出が必要であるが、以下の活動はそれらを経ていない。なぜなら、カムチャツカ遠征隊は遠征までにより多くの訓練活動を行う必要があると隊内で判断し、部会での審議1回で活動を行うというリスクをとってでも遠征本番までにより多くのスキルを得ることを優先させたためである。この記事は早大探検部の目的である「海外遠征」の広報として例外的に載せることとする。

 文責 野田(2年生、白馬岳訓練活動CL)

記事作成 小野寺(3年生、遠征隊在京広報担当)

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