食探し計画 in青森

当活動は、入部した一年生がはじめて活動の計画から報告までを実施する、通称「一年生活動」である。「探検とは何か」という、入部当初から突きつけられる問いに対し、活動という形で初めて挑戦する機会ともいえる。一年生は、原則入部した以上避けては通れない道だ。毎年試行錯誤して計画を練り上げる。


1、期間

2017年8月10日~8月17日

2、目的

前座:探検とはなにか

探検をいまだ成し得ていないものにとって、最も確固たる探検の探求とはなんであろうか。

部員二十数名の導きだした多種多様な答えをみるにつけ、たえず定義を変え続けること、これが一つの解であろう。

この場合最も危惧すべきは方向性の欠如、すなわち探検としてまったく成り立たぬものを、後付けの口述によって探検となすことであろうが、「危険を冒す」「移動する」といった、私個人の中にも深く根付く探検の一般的イメージなるものを、打破ふすべき対象として固定することで、多様性の中にもひとつの画一性をもたせられることと思う。

入部式で述べた文章は、論理的な意味での安定性を目指した定義であったが、今回は人類学的な意味から探検というワードを攻めてみたい。これの性質上、基盤は探検=反体制である。


 

世の移ろいが早すぎることは、誰しもが一度は感じたことがあるはずだ。一見、その流れに逆行するようにみえるアウトドア活動にしても、本来ひとが食を求めてはいるべき山に、食を携えてはいっている。いざ食探しをしようにも、食せる野草として紹介されているものはほんの一握りである。美味でなくとも、食うことのできるものは以外と多いのでは?この疑問から、今回の計画をたてるに至った。

目的は個人的な野生化ではなく、時代に逆行するための食の提案である。よって調理法等もあわせて研究していく。

また、趣旨としては食のグレーゾーンをせめることが目的であり、「食草は美味だから食わない」という意図を隊のなかで徹底させる。一般的な食材として知られていない珍味をいかにして探すか、まずいものをいかにして食すか。この点を探求していきたい。

なお、食の記録CLとして小林をおき、彼を中心に全体で記録を行う。

 

3、活動概要

食のグレーゾーン(食草図鑑にも、毒草図鑑にも載っていないもの)をせめることが目的であり、一

般的な食材として知られていない珍味をいかにして探すか、まずいものをいかにして食すか。この

点を探求した。

 

4、活動地域

青森県白神山地、美山湖(目屋ダム)一帯  及び  青森県舮作崎付近

 

5、メンバー

CL 橋谷(1年)、SL  江原(1年)、記録  嶋津(1年)、食担当記録 小林(1年)

野田(1年)、塚越(1年)、佐藤(1年)

 

6、活動記録

・草

カヤ:小ぶりのシダに似た外見。生でかじったところローズマリーのような香りがした。

<参考リンク > 庭木図鑑 植木ペディアより:カヤ

ムシカリ:茎の先端に6~8mmの実を放射状につける。こちらも生食。熟していない赤い実でもザクロのような味がして、熟した黒い実にはそれに糖分が加味される。

<参考リンク > 庭木図鑑 植木ペディアより:ムシカリ(オオカメノキ)

フキ:野草図鑑に載っているものよりもかなり小ぶりな種で、直径は5mmほど。ゴマ油和えにした。フキもそうだが、野草一般の茎に関して直径が小さいほどスジっぽくなるようだ。苦みも増幅されている。

ふきのとうのイラスト

三つ葉:野生化したもので、通常のものよりも大きめ。酸味がある。

ミズヒキ:味は前述のフキに似ている。新芽の部分が赤く色づいているが、やわらかくはない

<参考リンク > ヤサシイエンゲイ ほぼふつうの植物図鑑より:ミズヒキ

ギシギシ:葉が大きいため食べごたえがあるが、嶋津曰く「ハミガキ粉の味」。独特の苦みあり。

<参考リンク >そらいろネット 身近な植物図鑑より:ギシギシ

セイヨウタンポポ:今回食べたなかではもっとも美味だが、図鑑によっては食用に分類されているため、却下。

パクチー:日本に自生するもの。こちらもグレーとは呼べない。

 

 

・動物性タンパク質

アマガエル:炭火焼。魚の白身に似た淡泊な味わいだが、いかんせん身が少ない。

アマガエルのイラスト

マムシ:炭火焼

腹部を縦に裂いたところ意外にも身はほとんど入っておらず、皮、卵を食した。皮は焦げるほど炙ってもサケほどパリパリにはならない。卵はムースのような食感で無味無臭。

 

・虫

フナムシ:炭火焼にした。エビに似た触感で、意外にもくさみがない。

 

7、結果

安全管理を優先したために、図鑑とのつきあわせに時間の大半を消費してしまった。また

毒草図鑑の写真と葉や花が似ているものがちらほらとみられ、同一とまでは判断できずと

も手のだせなかった植物が多々ある。この意味ではグレーゾーンの範囲は想定したよりも

狭かったと言えるが、やはり学者でないとこの手の活動は手をだせないものなのだろう。

1、 食草として分類されていないもの

2、 毒草として分類されていないもの

3、 種類が識別できるもの

この3つの項目をクリアした8種類(一部項目1の部分があやしいものもあるが)と、つ

いでということで食した草以外の3種類が今回の成果となるわけだが、虫に力をいれれば

もっと多くの成果が得られたはずであり(虫食は発展途上なのだから)、そのあたりは今

後の課題としたい。

CLとしては、場所決め、採集、識別、調理の各段階でより効率性を求められたはずであり

、漠然とした想定しかしていなかったことが痛感させられた活動だった。

 

編集 下川(2年、広報係代理)

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