池郷川遡行(2011/07/16-17)

関西を代表する名渓、池郷川を遡行してきた。
沢自体の面白さもさることながら、本遡行はメンバー構成も異色で面白いものだった。

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(1日目の核心、不動滝20m)

日程:2011年7月16~17日
メンバー:CL和田(富山大ワンゲル)、小阪(京都医科大山岳部)、宮城(セクシー登山部)、森下(静岡大山岳部)、大平、佐野

もともとは和田さんと小阪さんが少人数での池郷川遡行を計画していたそうだが、それに大平と佐野も雑ぜてもらうことになった。
2人は今春、台湾当面の大崙渓という途方もないスケールの谷を遡行している(チーム84の木下さんによる報告記事)。

さて、池郷川は紀伊半島の奈良県・大峰山脈の秀渓である。昔は6級の悪渓として畏れられていたが、堰堤の建設で水流が幾分衰えたこと、池郷林道が敷設されてエスケープが容易になったことから、今では難易度はかなり下がったようだ。しかし、遡行記録などを見るとそれなりに難しいようで、泳ぎと人工登攀に慣れていない筆者は経験豊富な他のメンバーたちに付いて行けるか不安であった。

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(入渓すると、すぐに深いゴルジュが現れる)

7月16日、道の駅「吉野路上北山」に集合して、早朝から遡行を開始する。
穏やかな水流を歩いていくと、すぐに不動滝を擁する1つ目のゴルジュが現れた。
7m滝は直登不可能なため、ロープを出して右岸のリッジからゴルジュを脱出する。

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次に現れた不動滝20mは、左岸に残置スリングが懸かっており、トラバース気味に登れるようだ。
ジャンケンでリードを決める。クライマーの森下くんが勝利し、ロワー・ダウンでゴルジュに降りて左岸を登り始める。
ビレイヤーの和田さん以外は、対岸のテラスから見物した。和田さんは水流部でのハンギング・ビレイで、相当に寒そうだ。
ルートはクライムダウンやエイドが必要で、複雑かつ厳しめだった。私がリードしたらとても登れなかっただろう。

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(不動滝20mは森下さんがリード)

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(第2ピッチは、和田さんがリードで不動滝の落ち口へ)

不動の滝を越えると大きな堰堤があり、その上は礫が堆積していて伏流している。

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(堰堤も巨大)

礫で埋もれた、深いゴルジュがあったであろう伏流部を進んでいくと、徐々に水流が回復して次第に泳ぎが必要な小さい釜も現れてくる。
2m程の小滝はスタンスがなく、ヒールフックで越えた。

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次なる滝はエコの滝6mで、遡行記録では大半が巻いていたので直登に挑戦してみる。が、私の力量では取り付くこともできない。続く小阪さんが左岸の岩壁に取り付くが、プロテクションが決まらず、少し戻って右岸から巻くことにする。トラバースで一度ロープを出して、落ち口に降りた。

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(エコの滝は、うまく取り付けずに巻いた)

更に進むと、次はネジレの滝15mだ。滝のすぐ左を、フラットソールに履き替えた宮城さんがフリーでスムーズに登った。ただし、上部はプロテクションが取りづらく、ここも私にはリードで登れる自信はない。

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(ネジレの滝15mは宮城さんがリード)

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この後はゴルジュで少し泳ぐ箇所はあったが、困難な滝はなかった。意味もなく水と戯れて時間を浪費して、皮張谷手前の3m滝付近でこの日は遡行を終えることにした。右岸から池郷林道目指して一気に登り、30分ほどで林道に到着した。

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幕営地である池郷川下流の駐車場近くの河原で、和田さんが用意したそうめんと麻婆春雨を食した。この日は1日中快晴で夜も気持ちよく眠れた。

7月17日、昨日遡行終了した箇所に林道から入り、2日目の遡行を開始する。
最初に現れたコンコン滝6m、右岸の岩の隙間を潜って通過した。
吊り橋を過ぎると巨岩帯に入り、右手には石ヤ塔という奇怪な岩峰が見える。巨岩帯は迷路上になっていて、多少ルートファインディングの能力が試される。関東の沢では、こんな大規模の巨岩帯はない。

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(右手に石ヤ塔の見える巨岩地帯)

巨岩帯を越えて少し歩くと、深いゴルジュに入る。
名物の巨大なチョックストーンは、下を泳いで越えて、3m滝は少し手こずったが右岸をショルダーとエイドで登る。

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続く5m滝は、右岸をクラック沿いにアブミを多用して越え、ゴルジュを抜ける。

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(5m滝は大平がリード)

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(5m滝の上から)

さらに進み、くの字の瀞50mを泳ぐ。水流は強くなかったので、楽に越えられた。

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次に、大釜をもつ15m滝が現れる。
トップとビレイヤーだけ泳いで右岸に取りつく。一段目はショルダーで越えさせてもらい、できるだけ残置を使わずにヘキセンやトライカム、ナッツを使いながらなんとか登った。

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(15m滝。佐野がリード)

15m滝を越えると、すぐに大又谷出合いだ。計画ではそのまま本谷を遡行して抜ける予定だったが、小雨が降り始めたので、いつでもエスケープができる大又谷に入ることにした。
初めはすぐに林道に上がるつもりだったが、大又谷もなかなか面白いので、飽きるまで遡行を続けていく。
楽しみ足りない和田さんや宮城さんは、一瞬で巻ける滝をなぜか流芯から登っていく。滝に打たれながら、アングルを決める和田さんの姿はシュールだった。

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(滝に打たれながらハーケンを決める和田さん)

結局17時頃まで遡行を続け、ちょうど登りやすそうな尾根を見つけたので、そこから大又谷を抜けると10分くらいで林道に着いた。

今回は、周りが経験豊富な人ばかりなので、安心して遡行することができた。厳しい沢だと思って構えていたが、ワイワイ騒ぎながら遡行していて気づけば終わっていたので、あまり困難な沢だとは感じなかった。
2日目は、「バネは甘え」というよく分からないノリのもと、カムをほとんど持たずに、ヘキセンやトライカムなどのパッシブ・プロテクションを登攀に使用した。自分がリードのときは正直かなり不安だったが、実際使ってみるとかなり便利なことに気づいた。使い方も実地で教えてもらえて、いい経験になりました。皆さんありがとうございました。

記入:佐野

2件のコメント

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    同行のメンバーの中で唯一、真面目な報告を書かれていますね。忠告ですが、アホのけんじりとは付き合わない方が良い。あいつ等はいつか、痛い目に遭います。巻き添えを喰らわぬように!社会性に欠ける奴らは山もまともには登れないから、交わっても自分のレベルが落ちるだけです

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