南ア・大武川ミツクチ沢遡行(2011/08/04-6)

インドネシア遠征に向けて、鳳凰山地蔵岳北面の赤薙沢支流ミツクチ沢に行ってきた。
メンバーは大平、佐藤、オーブ(外大WV)、けんじり(京医大山岳部)
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赤薙ノ滝

8月3日
関東3人組は長野でのお泊りバイト終了後、終電の各駅停車で日野春駅へ。25時頃、京都から車で来たけんじり君と合流し、大武川沿いの林道をゲートまで車で進む。26時頃寝る。
8月4日
まだ眠かったが6時半起床、7時半行動開始する。
オーブさんは昨年に上流の赤石沢に行ったらしく、先頭で林道案内をしてくれる。途中過剰なほど堰堤があり、渓谷美を愛する我々は憤る。これを作るぐらいなら、もっとやるべきことがあるのではないか…。
林道が上と下に分かれるところで下を選ぶとすぐに入渓。堰堤はもう無いようで安心する。すぐに10m程度の滝があり、これは登れないので巻く。巻きあがりは簡単だが、その後50mロープいっぱいで懸垂し沢に戻る。
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大武川にかかる最初の10m滝

少々進むと、立派な滝が見える。これが赤薙ノ滝。
やはり登れないので高巻きで赤薙沢入渓。
すると両岸が立ってきて2段の立派な滝(6m+10m)が出現。これもまた登れないので高巻く。少々悪い。
次の5mの滝はけんじり君がアブミかけ替えの人工登攀で撃破。危なげなく頼もしい。
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エイドクライミングするけんじり君

この辺りから滝が連続する。直登したり、空身で登ってロープ張ったり、巻いたり、、、などなど。滝はどれもなかなかのものだが、釜が全然見られない。傾斜が急であり、後にもっと上部に進むとわかるが、崩壊が進んでいるため埋まったところもあるだろう…。
唯一残置のスリングを見た20m滝は、左壁が簡単そうなので全員フリーで登る。
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20m滝左壁

すると谷が開けてきて、やがてミツクチ沢出合に到着する。
余談だが、ミツクチ沢出合はauだと電波が通じる。
「そういえば、パスポートのアルファベット表記違ってました」
入渓後にメンバーの1人が爆弾発言をする。国際線では名前のローマ字表記がパスポートと同じでなければ乗ることができない。そして格安航空券では一度発券してしまうと変更できない。この日、沢に来ていない別のメンバーがお金を振り込み、インドネシアへの航空券を発券してもらう段取りになっていたのだ。下山しようかなどの意見も出る中、auのおかげで遡行を継続できた(ちゃんと下界の人間に連絡できて、ローマ字表記を変更できた)

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ミツクチ沢出合

ミツクチ沢は出合こそおとなしいものの、直ぐに両岸切り立ってくる。まず7m滝はオーブさんがリードする。写真を撮る余裕もないほどすぐ登ってしまう。
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7m滝、後続はユマールで

するとますます両壁はそそり立ち、右から50m以上の支流(ほとんど垂壁)が流れ込み、行く手には2条30mcs滝が出現する。大平リード。いかにも崩壊した巨岩が狭いゴルジュに引っ掛かりましたというような滝である。
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2条30m

それを越えると次は2段40m滝が行く手を防ぐ。
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下部も含めると40mどころではない。ゴルジュに巨岩が詰まったという感じ

手を尽くしてなんとか突破しようと、メンバー入れ替えで挑む。
1 けんじり君、左壁をフリー+ネイリングで挑むも岩が脆くハーケン(楔)が打てず失敗。その後水流に挑むが流心は強く撤退。30分近い格闘だった。
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水流に挑むけんじり君

2 オーブさん アクアステルスシューズで同じく流心を狙うがやはり無理。左壁で試行錯誤するが撤退。
3 大平 少し手前の右壁を試してみるが岩が脆過ぎて撤退(ハーケン1、スリング1残置)

おまけに雨も降ってきて、みんなブルブルになってきたのでこの日はここで終了。少し手前の盛り上がった岸で泊まる。盛大に焚火をした。
8月5日
朝から、2条30mCS手前まで下降し、大高巻き開始。切り立った岸の上にある樹林帯をトラバース。
ちょうど、2段40m落ち口近くの大岩の上に、懸垂2回で降りられた。
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懸垂下降のセット中

以後沢が開けてくるのだろうと思っていたら、立派な30m滝が行く手を塞ぐ。滝下右側のテラスからみると、ホールドもスタンスもあり行けそうに見えるが、流心のすぐ横を進んだにも関わらず、50cm以上の岩がぼろぼろと取れる。「外れる岩を押さえつけながらホールドにした」と、リードしたけんじり君。岩が脆く中間支点は1つしか取れなかった。
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30m滝はビレイしてて撮り忘れる。ビレイ点をつくるオーブさん

この後は沢が開けて、岸に囲まれるというより、尾根に囲まれる雰囲気に。巨岩帯と連瀑帯がひたすら続く。
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巨岩帯を歩く

この辺から崩壊がますます酷くなり、常に一か所以上は崩壊斜面が目についた。これだから堰堤がたくさん必要になるのだろう…。進んでいくと、いきなり奥壁にブチ当たり、その上から沢水が15mほど空中放水されている異様な滝が出現する。
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空中放水滝。奥の砂斜面を這い上がる

左奥の斜面を登るがこれがまた悪い。砂場で作ったお城みたいな強度で、踏み抜いたら滑落してしまう。
それを上がり、ヤセ尾根に出る。この尾根の反対側は石空川北沢の源頭部分だ。15m空中放水滝を越えると渓相が変わり、落ち着いた雰囲気になる。
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幕営適地がたくさんある

1度二つに分かれるところで沢を間違えたものの、特に問題はなく賽の河原に突き上げた。
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賽ノ河原の付近

左側には地蔵岳名物のオベリスクが見える。ここから下山を開始するも、この日中に下山する意味も大してないので、燕頭山付近でビバーク。この日はだいたい1日中、小雨が降っており寒かった。
8月6日
1時間半ほどで、御座石鉱泉にスムーズに下山。タクシー利用でデポ車を回収し帰京する。
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崩壊部分を補修中。重機をロープで吊るして行うらしい。

行動日程
3日(24:30関東組日野春駅着 25:00けんじり君と合流 26:00林道ゲートまで移動)
4日(6:30起床 7:45活動開始 8:40入渓 9:30赤薙ノ滝 11:45ミツクチ沢出合 13:20 2条30m滝下 14:10 2段40m滝挑戦 15:30活動終了)
5日(5:00起床 7:00活動開始 9:00高巻き終了 10:50 30m滝上 13:40空中放水滝下 16:30賽ノ河原 18:00 幕営地)
6日(5:30起床 7:15下山開始 9:00御座石鉱泉)

今回の沢はあまり記録が無いようなので、遡行図を書いてみた。
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この山行中は、先週から続いている8月らしくない気温のためとても寒かった。
とにかく崩壊部分が目に付き、岩も脆く、気の抜けない沢だった。残置物やゴミがほぼなく秘境感があったのは良かった。

記入:大平

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